捻くれ肴

2001年8月12日生まれ 女性

2024-01-01から1年間の記事一覧

PayPay

最近、PayPayを始めた。性別を編集しようとした時、「登録」ではなく「設定」とあった。何か現代的な響きを感じた。 一昔前なら「登録」だっただろう。それはただ情報を投げ込むだけの行為で、自分の意思などどこにもない。しかし、「設定」とは、自ら選び決…

間違い

もし、気の合う友人が現れたり、心から愛せる恋人ができたとき、その瞬間に孤独論は崩れ去るだろう。そして、その新たな人間関係を通じて、孤独ではなく他者と共に過ごすことの大切さを実感することになる。 現在のこの孤独を貫こうとする思いは、自分自身へ…

不審者

昔、桜が満開の公園で遊んでいた時、酔っ払った一人のおじさんが私に近寄ってきた。住所を訊ねられ、当時小学生だった私は戸惑ったが、一緒にいた女の子はあっさりと私の住んでいるマンションを教えてしまった。慌てた私は「それ以上言わないで」と彼女を止…

8月31日へ

夏の終わりがいつの間にかやってきて、道尾秀介の『向日葵の咲かない夏』を手に取った。私は読書好きの人間のように、自分の夏と物語の夏を絡めてなにか深い気持ちを観測することはできず、ただミステリーの推理要素を摘要し、登場人物たちの行動や思考のパ…

社会

朝、目覚めとともに襲いかかる重圧。それは、ただの目覚めではなく、何か決定的な敗北を告げる瞬間だ。目を開けると、まず感じるのは、入浴がまだ済んでいないという現実への落胆。疲れ切った体が、再び布団の中に沈み込みたいと叫んでいる。それでも何とか…

大学

大学という場所は、実に不思議な空間である。学問の場であるはずのそこに、「文系」や「理系」という二分法が存在し、何の根拠もないしきたりのように、それが学生たちの間で当たり前のように語られている。まるで、世界を理解するためにはそのどちらかに属…

味覚

感情が味覚に直結する──それはまるで、自分の心の動きが口の中で再現されているかのような、不思議な感覚だ。 熱が出ると、その体温の上昇だけではなく、口内にじわじわと広がる微妙な苦味が感じられる。それは辛いものを食べたときの外からの刺激とは異なり…

恋人

恋人が欲しいかと問われると、いつも答えに詰まる。欲しいかもしれない、いや、いらないかもしれない。実際のところ、「恋人」という存在そのものが欲しいわけではなく、ただ他人を愛することへの免罪符が欲しいのかもしれない。 世間では恋人がいることで得…

Twitter

最近、所有しているTwitterアカウントが2つ以上あることから、人(自分でも他人でもある)の悪意を感じ取って耐えられなくなった。 一方のアカウントを閉鎖し、もう一方のアカウントで行おうとしていたことを全て諦めた。面識のない人々をブロック解除し、鍵…

東京都知事選

都民ではない私に対して「都知事選誰に入れる?」と訊いてくる人がいるのは、少々不思議だ。まるで、私がその場にいるかのように話を振られるたび、何かを感じるというよりも、その感覚のズレに戸惑ってしまう。 これまでに4人に訊かれたことがあるが、その…

スペース

Twitterのスペースという音声配信機能には、言葉のやりとりが映像や文字と異なる形で、感情の奥行きや微妙なニュアンスが伝わるという特性がある。けれど、その特性が時として人々の内面を余計に露わにしてしまうこともあるようだ。 先日、あるスペースに参…

理科ができない、と言いつつも、その疑問の根源には理科が教えてくれる以上のものが潜んでいるように思える。科学が提供するのは、事実や法則の説明にすぎない。しかし、そこにあるのは冷たいデータや数値だけではない。その背後に広がるのは、人類がまだ完…

麒麟の川島

麒麟の川島が殺人の容疑で逮捕されたという奇妙な夢を見た。彼の普段のキャラクターとはかけ離れたそのシチュエーションに、私は夢の中とはいえ、驚かずにはいられなかった。 さらに不気味だったのは、ラヴィットの他のメンバーたちがその事件の隠蔽を手伝い…

知人の話

知人が彼氏を作った途端、まるで別人のように変わってしまった。 あれほど鮮明だった彼女の人生観は、今やぼんやりと抽象的な言葉でしか語られなくなり、その内容は捉えどころがなく、まるで他の星の生物と会話しているかのようだ。たった一瞬で救われた気に…

大阪

大阪に行った。頻繁に目に入るローカル銀行の看板や、耳にする馴染みのない市外局番。そのたびに、ここが同じ日本かどうかさえも怪しく感じた。 街の雑踏、独特な匂い、目に映る景色のすべてが、違和感の連続だった。高層ビルの陰にひっそりと隠れるように立…

想像力

ニコニコした穏やかな人がメインで写っている動画が荒れていると、その人があとで悲しんで泣いている姿を想像して耐えきれなくなる。 これは、私のひん曲がった想像力が生み出す光景だ。笑顔の裏にあるかもしれない悲しみを勝手に思い描いてしまうのは、どう…

成長と適応

成長と適応。これらの言葉は、一見簡単に聞こえるが、実際には非常に複雑で個人的な体験に満ちている。特に、私にとっては、この2つの筋道は時に痛みを伴い、時に自分自身と向き合う必要がある厳しいものだった。 思春期の頃、私はしばしば自分の居場所を見…

痛み

痛みというものは、単なる生理的な反応ではない。それは心の深い部分に影響を与え、私たちの存在そのものを揺るがすものである。 生きている限り、私たちの身体は痛みと切り離せない。痛みを感じることで、自分が生きていると実感することもある。しかし、そ…

生きる

生きるとは、いったい何なのだろうか。 時折、私はただの傍観者であり、他人の人生をぼんやりと眺めているだけなのではないかと感じる。何をしても、どこか空虚な気持ちがまとわりついていて、見えるものも感じるものも、それが本当に自分の心に響いているの…

仲良し

誰と仲良くするのが正解なのかわからない。周囲の人々を見渡すと、それぞれが異なる価値観や信念を持っているのがわかる。どの人と関わりを深めるべきなのか、どの関係が自分にとって有益なのか、判断がつかないことが多い。また、自分の価値観と合わない人…

『Come on Swing』

時々、ジューシィ・フルーツを聴きたくなる。特に好きなのは『Come On Swing』。 https://open.spotify.com/track/5pW8oeHjoRDfrcQZwMF5XS?si=QaCWXHg3SDmp_Vc8yZ1Xcg なんだかよくわからないけど、聴いていて心地がいい。 自分が生まれる前の時代に思いを馳…

お断り

ちょっと気が向いて、知人を食事に誘った。すると「ダイエット中」と言って断られた。それが建前かどうかは関係なしに、このようなことがあると、ますます人間がわからなくなる。 食事という行為は、単なる栄養補給だ。なのに、その作業を誰かと一緒に行いた…

自由

自由は、冒険なのかもしれない。自分が守られる環境がないからこそ、その一歩一歩が未知の領域に踏み出す勇気と覚悟を試される。 守られる環境がないということは、自分の選択と行動がすべての責任を負うことを意味する。誰かに守られている安心感から解放さ…

食事

食事という行為に対して違和感がある。食事は生命維持のために不可欠であり、誰もが日常的に行っていることであるが、その本質を考えると不快感を覚えざるを得ない。 食事とは他の命を咀嚼し、自らの体内に取り込む行為であり、それによって初めて生命を維持…

頑張らない

対して頑張らなかった課題よりも、頑張った課題の評価の方が低かった。割に合わない。やっぱりなにも頑張らなくていいな。 評価基準が曖昧で、他人の気まぐれや運に左右される世界で、真剣に努力する価値はあるのだろうか。もちろん、なんだって頑張った方が…

『さくらんぼ』

住宅街の一角から、大塚愛の『さくらんぼ』が聴こえてきた。その音はだんだん小さくなったが、「かなりの音量で流してしまったから外に漏れていないか不安になった」という気持ちを推し量らせるようで面白かった。令和になった今、こんなに純度の高い大塚愛…

2月6日というと、年の瀬に立てた1年の目標を忘れる頃だ。年明けの清々しさや、少しばかりの希望も、今日を境に薄れていく。新しい目標を掲げたのも、ただの儀式のように過ぎ去り、気づけばいつもの毎日が戻ってくる。そんなことを思いながら、ふと外に目を向…

文明

文明の光に包まれながら、私は日々、五感が薄れていく感覚に囚われている。スマートフォンの冷たい画面を通して世界を見つめ、キーボードの無機質な音で言葉を繋ぎ、イヤホンから流れる人工の音に耳を預ける。 便利さは確かにここにある。瞬く間に情報が手に…

信念曲げましておめでとうございます

なんとなく喫茶店で食べたオムライスに、プラスチック片が2つ入っていた。思わず「これは日頃の行いが悪いから罰としてもたらされたんだ」と、自己納得の奇妙な方向へ舵を切った。 お店の人に注意すべきことだとはわかっているが、それができない自分の情け…

不必要な情報

もうみんなウクライナ侵攻の話してない。こうやって不必要な情報に分類していくんだ。 情報が溢れる現代社会では、ニュースや話題が次々と移り変わる。最初は大きな関心を集めても、時間が経つと人々の関心は別の方向へ向かう。どんなに重大な出来事でも、や…