捻くれ肴

2001年8月12日生まれ 女性

痛み

 痛みというものは、単なる生理的な反応ではない。それは心の深い部分に影響を与え、私たちの存在そのものを揺るがすものである。

 

 生きている限り、私たちの身体は痛みと切り離せない。痛みを感じることで、自分が生きていると実感することもある。しかし、その痛みがどれほどの意味を持つのか、疑問に思う。

 

 痛みは、他人と共有するのが難しい。どれほど言葉を尽くしても、自分の内側で燃えるこの感覚を他人に完全に理解させることはできない。それゆえ、痛みは孤独の象徴とも言える。誰もがそれぞれの痛みを抱えながら、他人に理解されないまま生きている。

 

 そして、痛みはしばしば進化の触媒ともなる。苦しみを経験することで、人は強くなり、より深い洞察を得ることができる。しかし、その過程はあまりにも過酷だ。なぜ人は痛みを通じてしか進化できないのか。もっと穏やかな方法はないのだろうか。

 

 痛みを避けるために、私は多くのことを試みてきた。自己防衛の壁を築き、他者との距離を置くことで、自分を守ろうとした。しかし、それは本当に痛みを和らげる手段なのか、それとも単に別の形の痛みを生み出しているだけなのか、よくわからない。

 

 痛みは人生の一部であり、それから逃れることはできない。だから、私はこの痛みをどう受け入れるかを模索している。それとも、痛みはただの痛みであり、そこに意味を見出そうとすること自体が無意味なのだろうか。