捻くれ肴

2001年8月12日生まれ 女性

生きる

 生きるとは、いったい何なのだろうか。

 

 時折、私はただの傍観者であり、他人の人生をぼんやりと眺めているだけなのではないかと感じる。何をしても、どこか空虚な気持ちがまとわりついていて、見えるものも感じるものも、それが本当に自分の心に響いているのか、それともただの錯覚に過ぎないのか、判断がつかない。現実感が薄れていくのを自覚しながら、私はその感覚に抗えずにいる。

 

 昔の自分の方が、まだ自分に合った生き方をしていたのかもしれない。不安や不満を曖昧にかわしながら、諦めに近い感情で物事を受け入れていた。それでも、その頃の自分には、今の自分にはない何かがあった気がする。それを失った今の自分は、どこか惨めで、どうしようもない空虚感に苛まれている。 涙を流すだけの気力もなく、感情の起伏を避けることで、何とか日々をやり過ごしている。

 

 また、人を見下している自分に気づくことがある。他人を見下すことで、自分を保とうとしている。見下すことで、自分の存在を何とか確認しているのだろう。だが、それが何か間違っていることはわかっていても、どうやってやめたらいいのか分からない。

 

 時には、自分は実は上手くやれているのではないか、周囲が作り上げた奇妙なルールのせいで自分が少数派に追いやられているだけではないかと思うこともある。しかし、それもまた錯覚に過ぎないのかもしれない。

 

 結局、どこにいても安心できる場所など存在しない。私は分け隔てなく時空と向き合い、ただ毎日を過ごしている。それでも、どこかで生きていたいと願う気持ちが、私をこうしてもがかせているのだろう。

 

 生きることに意味はないと分かっていながらも、この息をしていること自体に、何かしらの理由があると信じたいのかもしれない。しかし、現実はそれを許してはくれない。甘くない現実の中で、私はただ息をしているに過ぎない。