捻くれ肴

2001年8月12日生まれ 女性

東京都知事選

 都民ではない私に対して「都知事選誰に入れる?」と訊いてくる人がいるのは、少々不思議だ。まるで、私がその場にいるかのように話を振られるたび、何かを感じるというよりも、その感覚のズレに戸惑ってしまう。

 

 これまでに4人に訊かれたことがあるが、その熱意を地元の選挙にも向けてほしいと願ってしまう。どうしても都知事選という、大都市の華やかさに人々が惹かれてしまうのだろうか。それとも単に、地方の選挙には熱が入りづらいのだろうか。

 

 私の周りでは基本的に石丸伸二を支持している人が多い。もしくは、石丸伸二を支持するような人が、積極的に選挙の話をしてくるのかもしれない。彼を支持する同僚は、彼のことを「理論的でかっこいい」と評するが、政策の具体的な話はほとんどしない。それが私には不思議で、どこか物足りない気持ちにさせられる。

 

 掲げられた政策が実際に実行されるかどうかは、結局のところ不透明だが、選挙がしばしば人気投票にすり替わるのではないか(もうそうなっているが)という疑念が拭えない。どんなに革新的な政策を思いついたとしても、その政策を語る人物の魅力やコミュニケーション能力がなければ、選挙には勝てないのだろう。私のように根暗な性格では、どれだけ優れた政策を考えたところで、当選の可能性はほとんどないだろう。

 

 選挙が政策だけではなく、その人物自身の魅力やコミュニケーション能力に依存する現実を痛感させられる。人々の心を掴む力がなければ、どれほど優れた考えを持っていても、それが日の目を見ることは難しいのかもしれない。