捻くれ肴

2001年8月12日生まれ 女性

 思考が止まらず、濡れた洗濯物はカゴに放り出されたまま、手つかずで放置されている。

 

 頭の中は延々と渦巻き、意識は洗濯物から遠ざかるばかりだ。湿った服が私を待っているのに、手が全く動かない。

 

 どうすれば、この意識をその方向に飛ばすことができるのか。

 

 アホだ、バカだ、マヌケだ。こんな簡単なこともできない自分に対する苛立ちが募る。なぜ、自分をコントロールできないのか。

 

 蛾になりたい。無骨で単純な存在になりたい。考えすぎて動けなくなったとしても、その身体の模様で周囲を黙らせたい。

 

 だが、現実はそうもいかない。なんとなく、できることから始めるしかない。自分を責めるのはやめて、少しずつ進むことを許そう。まずは生乾きの洗濯物を片付けることから、いや、意識を向けるところから始めよう。